2007年12月08日

「ひので」特集号@Science

某新聞社の科学部長が言うところの「わけのわからない雑誌」である米科学誌「Science」で,太陽観測衛星「ひので」の特集が組まれることになりました。昨年の「はやぶさ」特集号に続く快挙です。

米科学誌"Science"等における「ひので」特集号の発行について
http://hinode.nao.ac.jp/news/071207PressRelease/

上記のURLにその成果の一部が掲載されています。

太陽風の源を「ひので」により初めて同定。太陽風の加速機構に迫る
http://hinode.nao.ac.jp/news/071207PressRelease/Press_Conf_Sakao.mpg
http://hinode.nao.ac.jp/news/071207PressRelease/Press_Conf_Sakao_ROI.mpg
太陽からガスが高速で噴出している様子がはっきりと写っています。

コロナの加熱に重要な役割を果たすアルベン波を「ひので」により発見
http://hinode.nao.ac.jp/news/071207PressRelease/okamotos1_yellow.mpg
これがすごいです。雲のように見えている上空の低温ガスが波打つ様子がはっきりと写っています。間違いなく,未だかつて誰も見たことの無い光景です。
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2007年09月29日

日本天文学会 公開講演会れぽ

日本天文学会公開講演会「技術開発が拓く宇宙の扉」に行ってきました。
その内容について簡単にレポをお届けします。

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講演T
「すばる望遠鏡から超巨大望遠鏡へ」 家正則 教授(国立天文台)

すばる望遠鏡での観測について
・宇宙に一番多く存在するH原子の出す光(121nm)を観測した。
・宇宙は膨張しているのでドップラー効果で赤方偏移が起きる。
・その結果,赤方偏移z=7でH原子の光は973nmとなる。この光を捉えるためのフィルターを某光学メーカーと共同で開発。
・すばるディープフィールドから観測史上最もとおい銀河を発見。距離は約128億光年。
・遠くの銀河の観測記録で,上位10個のうち9個がすばる望遠鏡によるもの。
・4年前の放送大学の講義では,宇宙の年齢は150億年±50億年と言っていた。
・今では,137億年±2億年と言われている。天文学は非常に進歩が早い。

補償光学について
・大気の揺らぎのせいで,望遠鏡本来の性能が出せない。
・揺らぎにあわせて光を反射させる鏡をゆがませることで,大気の揺らぎをキャンセル。これで真空中での観測に近くなる。
・大気の揺らぎを測るためには,比較的明るい「ガイド星」が必要。
・遠方の銀河の観測を行う場合,いいガイド星が無い場合が多い。
 →レーザで高度90kmのNa層を光らせて人工のガイド星を作る。
 →レーザの波長を1000万分の1の精度で合わせないとうまく光ってくれない。
・各望遠鏡が好き勝手にレーザを打つと,ほかの望遠鏡の観測に影響が出たりするので,レーザの管制システムができている。
・補償光学の技術は,眼底検査などに応用され,一般の人の生活に役立っている。
 →目の奥の視神経がはっきりと見えるようになる。

次世代大型望遠鏡について
・マウナケア山頂に主鏡口径30mの望遠鏡をアメリカと共同で建設する計画がある。まだ予算はとっていない。
・岐阜県の某メーカーの技術でセラミックを削って鏡にする。
・大きなセラミックをマイクロ波で焼く技術を土岐の核融合科学研究所と共同で研究中。

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講演U
「赤外線天文衛星『あかり』が挑む暗黒の宇宙」 中川貴雄 教授(宇宙科学研究本部)

日本の宇宙科学研究について
・今まで多くの科学衛星を上げてきました。
 →たとえば「はやぶさ」。イトカワのサンプルをもって現在帰還の途中。もうボロボロだから,帰ってこられるかは不透明。
 →上へ行くといろいろ起きる。
 →「かぐや」はまだ大丈夫!w

赤外線による観測について
・赤外線で何が見える?
 →赤ちゃん星,おじいちゃん星,過去の宇宙など
・なぜ宇宙へ?
 →地球大気で電磁波の多くがカットされてしまう。
 →赤外領域で地球大気が観測対象より強く輝いている。
 →望遠鏡も輝いているから強烈に冷やさなければならない。大気中で冷やしたら凍ってしまう。

「あかり」について
・179lの液体ヘリウムと機械式冷凍機で-270℃近くまで冷却。
・SiC製の鏡。軽く(11kg)て丈夫。鏡の材料を作ったのは岐阜県の某社。
・打ち上げ直後2つある太陽センサが両方使えなくなる。
 →未だに原因不明。
 →何かがセンサを覆っている?
 →すぐにプログラム変更。その他のセンサ情報から太陽方向を推定。

将来計画
・SPICA計画
 →口径3.5mの大型赤外線望遠鏡衛星。
 →2017年ころ打ち上げたい。
 →太陽-地球ラグランジュポイントL2で観測。

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以下,質問コーナーから一部。

・天文の研究をやって何の役に立つ?
 →天文学は,人間の,生命の,地球の成り立ちを知るための手段。
 →最新の観測に使う装置に要求される精度は極めて高い。それを実現する技術によって,普段の生活に使われる物もより高性能になっていく。
 →補償光学の応用もいい例。
 →今すぐに役には立たなくても,100年先には非常に有用な成果が得られるかもしれない。かつて電気の性質を研究したマックスウェルらが,電気がここまで使われるようになると予想していただろうか?
 →星の中で何が起きていようが,普段の生活に何の影響も無い。しかし,これらの研究で得られた成果は人間の心を豊かにすると思う。

・巨大望遠鏡にSPICA。こんな大プロジェクトが2つもあって大丈夫?
 →日本が人類の文化に対してどれだけ投資するか。これはその意思の問題。
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2007年09月27日

小惑星探査機「DAWN」打ち上げ成功!

アメリカの小惑星探査機「DAWN」の打ち上げが成功しました。

Dawn Mission Home Page
http://dawn.jpl.nasa.gov/

我らが川口先生曰く「どこかで聞いたことあるミッション」wの「DAWN」。小惑星「ベスタ」と「セレス」を「はしご」する,打ち上げ重量約1.2t,搭載キセノン重量約400kgという豪華な探査機です。これでも安いミッションという辺りは,さすがアメリカ。
キセノン相場がまた相当に上がったことでしょう。w

観測画像にwktkする日々が待ち遠しいです。

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2007年09月24日

日本天文学会 公開講演会「技術開発が拓く宇宙の扉」

今週,岐阜大学で日本天文学会の年会が開かれます。その一環として,下記のような公開講演会が行われるようです。

日本天文学会・公開講演会
テーマ : 「技術開発が拓く宇宙の扉」
日 時 : 2007年9月29日(土) 14:00-17:00(開場 13:30)
場 所 : 県民文化ホール未来会館・長良川ホール
対 象 : 中学生以上・一般向け
講 演 :
「すばる望遠鏡から超巨大望遠鏡へ」家 正則(国立天文台・教授)
「赤外線天文衛星「あかり」が挑む暗黒の宇宙」中川貴雄(宇宙航空研究開発機構・教授)

日本天文学会 2007年秋季年会 公開講演会
http://www.made.gifu-u.ac.jp/~vlbi/kokai.html
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2007年09月23日

M-V-7から1年

最後のM-Vが打ち上げられてから1年経ちました。

早い物です。あの日は,朝一で打ち上げ中継を見て,そのあとは一日中ネット上のM-Vの資料を漁っていたことを覚えています。

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posted by Tri at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙科学・宇宙技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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